COLUMN
政府与党より令和2年度税制改正大綱が公表されました。
1.法人課税
連結納税制度のグループ通算制度への移行が一番の目玉です。基本的には制度の使い勝手を上げる改正ですが局地的には不利になる項目も出ることが想定されます。
その他ではオープンイノベーション目的のベンチャー投資について投資額の25%の損金算入が認められる点が大きい改正になります。
租税回避に悪用される懸念がありますので法令や政省令でどのような限定がかけられるかが今後の着目点と思います。
M&Aについてはソフトバンクグループの節税策を契機とした配当後の株式譲渡による節税防止規定が導入される一方、株式対価M&Aに係る株主課税の繰延べ措置は導入が見送られました。
法人課税の詳細については年明け発行の旬刊経理情報に解説記事を寄稿しますので興味のある方はご覧いただけると幸いです。
2.個人課税(富裕層関連)
経産省が導入を要望していたM&A版事業承継税制は導入が見送られました。継続検討されるようですが個人的には導入はかなりハードルが高いと思っています。
国外中古建物の不動産所得が赤字になった場合、減価償却費はなかったものとされます。アメリカの中古不動産投資による節税策を規制する改正です。
居住用賃貸建物の居住部分については仕入税額控除が一切認められなくなります。マンション建設に伴う消費税の還付問題は納税者と税務当局のいたちごっこが続いていましたが、自販機スキームに代わり一部ではやっていた金取引スキームも封じ込められることになりました。
以上、速報まで。
宮口
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