宮口公認会計士・税理士事務所

代表コラム

COLUMN

個人型確定拠出年金(DC)による資産運用と節税(For個人事業主)

税務
2016.7.1

個人事業主による節税策として有名なものに小規模企業共済がありますが、最近では個人型確定拠出年金(DC)が普及して来ているようです。以下、個人事業主向けに絞って簡単に概要を記載します。

1.加入対象者:20歳以上60歳未満の自営業者
2.掛金:月額5,000円から上限68,000円(国民年金基金の掛金や国民年金の付加保険料と合算ベース)→全額所得控除
3.運用:預金/債券/株式/投信/不動産(REIT)などから各自が選択→運用益は非課税
4.給付:60歳になると老齢給付金が受領可能→一時金の場合は退職所得控除、年金の場合は公的年金等控除

①掛金所得控除、②運用益非課税、③給付金各種所得控除の3つの税務メリットにより、運用益が生じなくても個人事業主には節税メリットが生じることになり、現行の税制を前提とすれば、資産運用手法として大変に有用と思います。

小規模企業共済との併用も可能ですので、小規模共済の掛金限度額(年額84万円)とあわせると最高で165.6万円の所得控除が可能となり、最高税率(55%)ベースで約91万円の節税になるわけです。投資優遇制度としてはNISAがありますが、節税効果だけで見れば個人型DCに軍配が上がります。

現在、多数の銀行や証券会社が申込みを受け付けていますが、投資可能な商品のラインナップや手数料の多寡で購入先を決めればよいかと思います。

以上、よいことばかり書きましたが、留意点としては小規模企業共済のような契約者貸付けの制度がないことや、60歳になるまで引き出せないことが挙げられます。簡単に引き出せては老後に向けた貯蓄が出来なくなるということもありますので一概にデメリットとは言えないのかもしれませんが。後は当たり前ですが、元本確保以外の商品に投資した場合に投資により損失が生じる可能性があるという点です。

興味があれば各種金融機関を紹介することも可能ですのでご相談ください。

宮口

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