COLUMN
今週、とある不動産業者の方と面談し、米国不動産投資による節税策の説明を受けました。
米国の中古アパートやコンドミニアムに投資し、5年経過時に売却することで節税メリットを享受するスキームです。
木造アパートの法定耐用年数は22年ですが、中古資産の耐用年数が使えますので耐用年数が経過した資産の耐用年数は4年となります。米国不動産を対象とする目的は、中古市場が成熟しており売りやすいことと、日本とは異なり、建物の価値が減価しない点にあるとのことです。一般的には物件価格のうち70%から80%が建物部分として評価されるため、多額の償却損が取れるとのことでした。
減価償却費の計上により不動産所得の赤字を計上して給与と相殺し、節税を図ったのち、長期所得となる5年後に売却して、投資回収を図ります。例えば利回り5%の物件価格10,000(内建物7,000、土地3,000)の物件を米国で調達したローン(金利5%)で取得した場合、賃料と金利が同額のため投資利益はでませんが、5年間で建物簿価7,000の償却費がとれますので、仮に物件が取得時と同額の10,000で売れた場合、譲渡益が7,000生じます。
仮に投資家が最高税率55%の高額所得者であれば、償却費と給与の相殺により、3,850(7,000×55%)の所得税が減少する一方、売却益に対して1,400(7,000×20%)の所得税がかかりますので差引き2,450(税率35%分)もの節税が可能となります。
現状、米国も不動産市況が活況であり、4%~8%程度の利回りしか見込めない点は、日本の不動産投資と同様ですが、節税メリットを考慮した場合、検討に値する投資スキームと思いました。なお、不動産投資ですので、当然に空室リスクがあり、現地の管理会社を使うコストがかかること、また、為替リスクもありますので慎重な判断が必要です。投資は自己責任でお願いいたします。
ご興味があれば、ご相談ください。
COPYRIGHT 2024 ©MIYAGUCHI ACCOUNTING & TAX OFFICE. ALL RIGHTS RESERVED.